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建てる前に知っておくべき土地選びの重要ポイント9選

その他住宅知識
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はじめに

住宅づくりの第一歩となる土地探し。

立地や価格はもちろんですが、他にも知っておくべきことは多数あります。そんな注文住宅を建てる際に押さえておきたい土地選びの基本ポイントを9つに絞って共有します。

読者の皆さんが後悔のない土地選びをするためのお手伝いができれば幸いです。

実は土地探しよりも先にやっておくことが!?→コチラの記事で解説!

土地選びで絶対に外せない9のチェックポイント

1.用途地域

土地には基本的に「用途地域」というものが定められています。一種低層住居専用地域や工業専用地域など、様々な種類がありますが、その目的は、そこに建てられる建物の種類や条件をある程度制限することです。

詳しく把握する必要はありません(一級建築士でも全てを覚えている訳ではありません…)が、「低層」や「住居専用」と名がつく地域は、基本的には高い建物や工場、商業施設などはありません。

逆に「商業」や「工業」と名がつく地域などでは、その名の通り商業施設や工場などを建てることができる地域です。そのような地域では、現在周りに建物がなくて日当たりがよかったとしても、将来的には許可される範囲で高い建築物や日常的に音が出る建築物が建つ可能性もありますので、用途地域は長期的な目線をもって十分確認しましょう。

2.建ぺい率・容積率

建ぺい率は、土地面積に対する建物の建築面積の割合を、容積率は土地面積に対する建物の延床面積の割合を指します。

完璧な説明ではありませんが、誰にでもわかるように簡単に言うと、単純な2階(3階)建ての家を想像したときに、一番大きな1フロアの面積が建築面積、2フロア(3フロア)の面積を合計したものが延床面積です。

もちろん、これらは建物の大きさ、階数などに制限を加える重要な指標ですので、自分たちの理想の家を建てるためにはこれらの数値を考慮に入れた上で計画を進める必要があります。

ただし、基本的には設計者がしっかりと考慮した上でプランを検討しますので、あまり細かく意識する必要はありません。それよりも、用途地域と同様に、将来的に周囲に建つ建物のことをある程度把握できる指標として意識するべきだと思います。

慣れないと少し難しいかもしれませんが、わかりやすく、同じ100㎡の土地AとBがあったとします。そのとき、

A:建ぺい率40%、容積率80%

B:建ぺい率60%、容積率150%

という条件だった場合、単純計算だとBの土地のほうが容積率が大きいため大きな建物をつくることができます(Aの延床面積は80㎡まで、Bは150㎡まで建てられる)。

一方で、Aは建ぺい率≒最も大きい1フロアの面積が40㎡ですので、最大でも2階建てまでしか建てることができません。しかし、Bは調整すれば3階建ても建てることができてしまいます。そのようなエリアで自分たちが2階建てを望んでいる場合は、周囲を高い建物で囲まれてしまう可能性があります。

もちろん実際はここまで単純ではなく、敷地面積との兼ね合いもあってケースバイケースですが、自分たちのことだけではなく、周辺地域のことも長期的に考慮する必要があります。

3.接道状況について知る

土地が公道にどのように接しているかは、建築計画において非常に重要な要素です。

一般的に不動産価値としては日当たりのよい南接道(敷地の南側に道路がある状態)が最も価値が高いとされています。実際に南側に大きな道路がある土地は日差しを遮るものが少ないので日当たりはよく、間違った話ではありません。

ただし、北接道などその他の接道条件でも、設計次第で十分に日当りの良い建物を建てることは可能です。というか、そこが設計者の腕の見せどころであり、工夫のしどころなので、南接道の土地は設計者からするとあまり面白みがなかったりもします…(だからといって手を抜く訳ではないですけどね)。

また、不動産価値の観点では東接道の方が西接道よりも一般的に価値が高いとされていますが、多くの現代人のライフスタイルには西接道の方が合う、と思っています。

例えば、単純に12 時を境に東から西に日差しが切り替わるとすると、朝9時に目が醒めてから東接道の場合は12時までの3時間しか日が当たりません。対して西接道の場合は12時から日没まで日が当たりますので、明るい時間は多くなります。

もちろんこれも実際はこんなに単純な話ではなくケースバイケースですし、もっと早起きしろよ、という話なのですが、少し疲れて寝坊した日にあっという間に日が差さなくなってしまうというのは、少し物悲しい気がする、というのが個人的な見解です。

それはさておき、伝えたいことは接道状況ももちろん確認は必要ですが、一般的な価値観に左右されず、自分のライフスタイルや、条件が悪かったとしても設計でどこまで工夫できるのかどうかをしっかり見極めてください、ということです!

4.地盤の確認は必須

家を建てる上で、地盤の強度は非常に重要です。

弱い地盤の上に家を建てると、将来的に地盤沈下を起こすリスクがあります。また埋立地などでは地震時の液状化リスクもつきものです。

実際に建物を建てる際には、地盤調査を行います。弱い地盤だから建物が建てられない、といったケースは少なく、必要があれば地盤改良や杭を施工することで地盤の強度を担保します。

ただし調査の結果地盤改良や杭施工が必要となった場合は、10数万円〜場合によっては100万円単位で費用がかかる可能性もあります。これは建物の安全を担保するためには欠かせない手順ですので、コストがかかるからと言って省略しないようにしましょう(設計者や建てる側もそれは拒否するとは思いますが…)。

そして残念なことに、自分の選んでいる土地で地盤改良が必要かどうかは、実際に地盤調査をしてみないと確定できません。ただし、近隣地域の地盤データなどは一般に取得可能なケースが多いので、不動産業者や設計者に聞いてみましょう。

その情報もあくまで目安ですが、何事も準備しておくことは大切です。

5.設備状況のチェック

上下水道や電気、ガスなどのライフラインの接続状況を確認することも忘れてはなりません。これらの設備が整っていない土地では、後から高額な接続費用が発生することもあります。計画段階でこれらの情報を把握し、予算に含めておくことが大切です。

首都圏でも、都市ガスが通っておらず、プロパンガスが必要な地域などもまだまだあるようです。その場合はガス代などのランニングコストなどにも影響してきます。よく確認しましょう。

また下水排水の際に汚水槽や雨水貯留槽などが必要な場合もあります。そういったケースでは建築時に費用がかかってきますので、こちらもよく確認しましょう。

6.現況の重要性

土地の現況もしっかりと確認しましょう。

いくつか見るべきポイントがありますが、まずは更地なのか、既存の建物があるのか、が重要なポイントです。既存の建物がある場合は、解体費用などの追加費用がかかります。

また隣地境界に越境物がないかどうかも重要なポイントです。古いブロック塀や隣地の屋根などが少しはみ出ていたりすると、場合によっては敷地面積を削られてしまう可能性もあります。

土地に高低差があって擁壁や土留めのブロックなどが存在する場合には、その擁壁やブロックの安全性もしっかり確認する必要があります。こちらも場合によっては建築計画に制限を受ける可能性があります。

その他、隣地の建物の窓の位置に対して、こちらで計画している窓の位置が正面に来てしまう場合などは、後から建てる方に目隠し等の配慮を求められる場合があります。

このあたりは専門的な知識も必要ですので、不動産業者や設計者に確認しましょう。

7.法適合しているか

建築基準法では、一定の幅員(原則は4M以上※)がなければ建物を建てられないという規制があります。そのような条件を満たさない土地は「再建築不可」と記載の上、既存建物(古屋)つきで売っていることがあります。土地を選ぶ際は、そのような法適合状況をしっかりとチェックし、問題がないことを確認してください。

建築確認が不要となる規模のリノベーションは、再建築不可物件でも施工可能です。

※例外もあります

8.土地の権利を理解する

土地選びの最初のステップは、土地の権利をしっかり理解することです。

所有権の土地であれば問題ありませんが、借地権の場合は権利が何年残っているのかなども含めて、将来的な条件や必要となる対応、その費用を把握しておく必要があります。

9.土地の地目は何か

「地目」とは土地の利用形態を指します。

住宅を建てるためには「宅地」である必要がありますが、中には「田」や「畑」などとして登録されている土地もあります。これらを宅地に変更するには、転用の申請と手続きが必要になるため、可能だとしても費用や期間が必要になります。不動産業者に事前に確認しておくことが肝心です。

まとめ

土地選びは、注文住宅を建てる上での最初の大きなステップです。上述した9つのチェックポイントを念頭に置きながら土地探しを進めることで、後悔のない家づくりが可能となります。

建築士としての私の経験から伝えたいことは、土地選びに時間をしっかりとかけ、可能な限り多くの情報を収集することの重要性です。皆さんが理想の家を実現できるよう、このブログが役に立つことを願っています!

以上、注文住宅を建てる前に知っておきたい土地選びの重要ポイント9選でした。計画段階での適切な土地選びが、快適な家づくりの基礎となります。この情報が皆さんの家づくりの参考になれば幸いです。ご質問やご相談があれば、お気軽にコメントください。共に理想の家を実現しましょう。.

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